基調講演

NHKエンタープライズ

エグゼクティブ・プロデューサー

堅達 京子

〈ご経歴・職歴〉

1965年、福井県生まれ。早稲田大学・ソルボンヌ大学留学を経て、88年、NHK入局、報道番組のディレクターとしてクローズアップ現代やNHKスペシャルを担当。2006年よりプロデューサーとしてNHK環境キャンペーンの責任者を務め、気候変動やSDGsをテーマに数多くのドキュメンタリーを制作。21年、NHKエンタープライズに転籍。主な作品にNHKスペシャル「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」「2030 未来への分岐点」、特集番組「渋沢栄一に学ぶSDGs」「1.5℃の約束」「気候変動を食い止めろ!」など。

カーボンニュートラルの実現に向けて~中小企業の取り組むべきSDGs~

SDGsの中でも環境という土台が崩れてしまえば、経済も社会も成り立たない。地球沸騰化が叫ばれる時代、産業革命前からの気温上昇を1.5℃におさえるというパリ協定の国際目標は、いま危機に瀕している。どうしたら気候変動を食い止め、カーボンニュートラルを実現できるのか。講師が主軸となって165の日本のメディアが垣根を超えて取り組んでいる国連の1.5℃の約束キャンペーンを紐解きながら、なぜ1.5℃目標が大切なのか、科学者からの警告やビジネス界の最新の動きをわかりやすく解説する。

脱炭素社会に向けたパラダイムシフトに必要なのは前例のない規模の変化であり、化石燃料から脱却し、再生可能エネルギーへの転換を起こすこと。そして、気候変動問題と地域創生など、社会的な課題を同時解決していく視点だ。しかし、日本のGX戦略は、1.5℃目標に整合しておらず、スピードとスケールの点で課題が大きい。こうしたなか、中小企業や市民一人ひとりにできることは具体的に何なのか、11月にアゼルバイジャンで開かれたCOP29の報告も交えながら、長年の気候変動分野での取材をもとに考える。